空港という場所が好きだった

私は飛行機が好きだ。あの狭いエコノミークラスの席にこじんまりと収まって、長い間身動きが取れないという状況が好きだ。体があれだけ不自由になるのだから、仕事も何もできなくてもしょうがない。何もしていなくても全く罪悪感がない。後ろめたく感じるこ…

「死にゆく人の心に寄りそう」の感想 この本に助けられた

母はクリスマスの前に旅立って、残った私と姉はクリスマス当日に簡単な家族だけの葬式をした。 水分を取るのも苦労するようになった母は、その後も固形物は一切とらず、それでも2週間以上生き続けた。 普段は母とあまり仲が良くなかった姉も、最後の2週間…

母が少しずつ死んでいくのを見ている

固形物が食べられなくなってから医者と相談したら、食道にステントを入れて穴を広げたら飲み物くらいは飲めるようになるだろう、という提案をされた。でも、検査の結果、胃カメラが通るくらいのスキマはまだあるため、ステントを入れるのはかえって危険とい…